【実話】アタシの値段~a period~
「じゃあ俺、そこの自販機まで行って来るからな。」
浩介はドア越しにそう言って
部屋を出て行った。
アタシは鏡に向かい合う。
今にも泣いてしまいそうな目を
ギュッと瞑って
顔にタオルを押し当てた。
その時、
―コンコン。
お風呂場のドアをノックされ
「おい…」
と浩介の声。
『浩介?どうしたの?』
と、目を閉じたまま返事をしたら
耳を疑う言葉が返ってきた。
「ユキ、タカシ君が来てる。」