【実話】アタシの値段~a period~
『またぁ!?』
俺はあの夜も
そんなユキの声で目を覚ました。
『アンタって本当、タイミング悪い男だよね。』
……男。
やっぱりか。
深夜にかかって来る電話は
これで三度目だ。
しかも
やはり、予想通り
相手は男だった。
すっかり眠気など吹き飛んでは居たけれど
俺はそのままユキの声に耳を傾けた。
怪訝そうに深いため息を一つ吐いたユキは
『分かったってば。すぐ行くから。』
そう言って少し力強い音で
パチンと携帯を閉じた。