【実話】アタシの値段~a period~
「また、友達?」
あたかもたった今
目が覚めたような口調で
のそのそと起き上がると
『そうなの、ごめんね?』
と、ユキは両手を合わせながら苦笑った。
さぞ、申し訳なさそうに。
こんな時間に男の元へ…か…。
いや、でも
本当にただの男友達かもしれない……。
パタパタと慌ただしく帰り支度中のユキを
目で追いながら
悶々と、寝起きの
まとまらない頭で思考する。
「起きたらまたメールするから。」
今日もまたユキは
一つのキスを残して
部屋を出て行った。