【実話】アタシの値段~a period~



置き去りにされたベッドの上、


以外と寝相の悪いユキが作った、シーツの波間を


そっと手で平らにすると


ユキから移った体温がまだ少し残っていた。



小さなため息が一つ零れる。



「今日も寝れねぇんだろうな」



悩みや
気になることがあると


不眠に陥る
以外と繊細な神経にうんざりしながら


ベッドを降りて
ブラインドに指をかける。



ちょうど今日も
エントランスから出て来るユキの姿が見えた。



ユキは、駐車場を抜けて


また、この間と同じ方向へ歩いて行った…。





………。






俺は何かを考えるよりも先に




部屋を出て



エレベーターに飛び乗っていた。




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