【実話】アタシの値段~a period~
後を付けると言っても
この辺は、こんな時間にタクシーが通るような場所ではないし
ユキに交通手段はない。
どうせ、近くまで
その男が車で迎えに来ているはずだから
すぐに見失ってしまうのだろうが…。
せめて、ユキとその男とのやり取りでも見られれば
二人の関係が、多少なりとも分かるはず…。
…なにも家まで付けるわけじゃない。
エレベーターを降りるまでの間
そう自分に言い聞かせていた。