【実話】アタシの値段~a period~
『ねぇ浩介。アタシ、どんな顔してる?』
明るくなった室内で
アタシは鏡に向かい合う。
鏡に映る自分は、いつもと変わらない気がした。
「死にそうな顔してる。」
そう言いながら、目の前に置かれたコンビニ弁当。
『今はお腹空いてないや。』
もう一度、鏡を見ると
目の下には大きなくま。
元々丸くはない頬は
更に少しやつれていた。
この三週間の間で、
この顔を見慣れてしまっていたんだ。
「また食わねぇの?」
『後で食べるよ。』
「いつもそれだけど、お前ほんとにちゃんと食ってんの?」
珍しく、真剣な面持ちで低い声を出す浩介。
『……何?なんか今日は機嫌悪いの?』
心配してくれてるだけなんだと
本当は分かってるんだけれど……。
「お前さ、また痩せたんじゃねぇの?」
………。
「ちゃんと寝てんの?」
………。