【実話】アタシの値段~a period~
「俺は、ユキが思ってるような男じゃないかも知れないよ……?」
と、小さく怪しく言った隆志。
『例えば隆志が殺人犯だとしても
ずっと変わらず好きだよ。』
「俺もだ。気が合うな。」
あはは、と笑い合える今日。
ゆっくりと流れる時の中
涙はすっかり渇き。
浩介の言葉を思い出す。
「満ち欠けを繰り返して、いつか綺麗な丸になるんだ」
アタシはベランダに出て月を見上げた。
『ねぇ隆志、今日は満月だね。』