【実話】アタシの値段~a period~




浩介に聞いたバーに辿り着く。



目の前に立つと、全身を写し出す、真っ黒な扉は


やたらと重かった。


いや、綺麗に磨かれたドアから漏れる


ジャズの圧倒的な雰囲気に


そう感じさせられただけだろうか。



怪しい外装とは裏腹に、落ち着いた店内。



薄暗い照明。


カウンターには、それよりほんの僅かにだけ明るい照明が施されており



そこで、浩介は


マスターらしき男と談笑しながら


グラスを傾けていた。



< 314 / 480 >

この作品をシェア

pagetop