【実話】アタシの値段~a period~
「その日から、どうにもユキのことが気になって…
あのファミレスに何度も足を運んだよ。
もちろん、偶然を装ってね。
アイツの警戒心は、もう
その辺の野良猫より強くてさ
まず、返事が返ってくるだけでも
ほんと苦労したんだよ。
初めて返事をした時は、鳥肌が立つほど嬉しかった。
で、俺はその瞬間に恐らく
ユキのことが好きだと確信した。
その頃から
もう一度、出直そうと思い始めたんだ。
ユキとそれなりに会話を出来るようになって
経営者になりたいんだ、って話しを初めてした時に
ユキが言ったんだ。
「夢なんて見る人間は、地獄に落ちるよ。」
ってな。