【実話】アタシの値段~a period~
「嘘だろ!?」
声のトーンを上げて
あからさまに動揺する隆志。
―……何ソレ。
嘘でしょ…
『本当だよ。何か問題あった?』
沈んで行く心を庇うように
アタシはわざと嘘くさく笑ってみせた。
「いくらお前でも、勝手にそんなことする権利ないだろ。」
低く、静かに
そう呟いた隆志の目は
本気だった。
『……アタシが悪いの?』
今にも声を荒げそうになるのを堪えるように
アタシは煙草に火をつけた。
「あ…いや…」
我に返ったかのようにうつむいた隆志に
アタシは益々
苛立った。