【実話】アタシの値段~a period~




外は雨だった。


さっきまでは
あんなに晴れていたのに。



まるで
アタシの代わりに泣いてるみたい……



……なんてね。




ははっ


バカみたい。







アタシだって
立派に泣いてるじゃん







言ったくせに…










愛してるって





言ったくせに








『うそ つき』




声は雨音にかき消され





一歩一歩
歩くたびに



追いかけて来てもくれない隆志と


鳴らない携帯のせいで




"愛されていなかった"




そんな思いが



浮き彫りになると共に


真実味を帯びて行く気がした。




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