【実話】アタシの値段~a period~
…一目で分かった。
゙ヒトミ゙と抱き合いながら跳び跳ねる女は、
先ほど
俺が見とれてしまった、
後ろ姿の女だった。
脚が好みだと…?
いや、それどころじゃない。
顔も声も
全てが完璧で、それは
上等なフランス人形のようだった。
「ヒトミー!!聞いてよ!超しつこいの!!」
あまりに彼女が綺麗すぎて
それまで俺は全く気がつかなかった。
゙しつこい゙と、指を指されているのは
他でもない、
さっきから姿が見えなかった同僚だった。
「いいじゃん~携帯だけっ!ねっ?教えて♪」
お願い!と言わんばかりに
合わせた手の平に携帯を挟んで
頭を下げていた。
…―おいおい。