【実話】アタシの値段~a period~
『さっき、誤魔化しはナシだって言ったじゃん』
そう詰め寄りながら
全ての点が
一本の線で繋がることは
アタシにとって、とても大きなことなんだろうと。
それもきっと
いい意味ではなく
その逆なんだろうと
思考の奥底で感じ、怯えていた。
だって
浩介の言葉には
いつだって意味がある…
アタシの悪い癖。
見たくないものは
目を瞑って
耳を塞いで
知りたくない、と
向き合うことから逃げること。
『……珈琲入れなおそうか。』
何かと葛藤するように
話さなくなった浩介からカップを受け取り
アタシは水道の蛇口をひねる。
ザーザーと、シンクに弾く水の音。
………
……………
″お前さっきから俺の話し聞いてた?″
────………。
″そりゃ、好きな女には幸せになってほしいよ。″
………
″だけど、幸せになれないなら…ほっとけねぇ。″
………え?