【実話】アタシの値段~a period~
俺は、波打つ心臓を押さえながら
"待ってなどない"
そうアピールをするためだったのか、なぜか寝ていたような声を出した。
普通に考えれば、何も知らない彼女に対して、そんな遠回しなことをする必要性は全くなかったのだが。
それほど、俺は動揺していた。
――――
不自然なほど、強弱のない、声だと思った。
"泊めてくんない?"
突然の展開すぎる。
俺は着替えることも忘れて、車の鍵だけを掴み、部屋を飛び出した。
彼女に聞いた交差点に着いても、彼女の姿を見つけられなかった。
どこか、目印でもないか聞こうとした時、
少し遠くに、見覚えのあるコンビニを見つけた。
案の定、彼女はそこに居た。