【実話】アタシの値段~a period~
そのことに気づいたのは
次の日の夜だった。
あの朝、目が覚めた時
隣で眠っていたはずの
ユキが居なかった。
その日の夜になっても
その次の日の朝になっても
連絡がとれずにいた。
イヤな予感はしたんだ。
仕事から帰り
何気なく開いたポストに、
ユキに渡してあったはずの
部屋の合い鍵が
ぽつりと、置き去られていたから。
なんとなく、
そんな気はしたんだ。
走って走って
たどり着いた君の部屋に
君はもう、
居なかったんだ─‥。