【実話】アタシの値段~a period~







マヤ


きっと、今頃


どこかで見てるなら


怒ってるんだろ‥?





ユキを好きになったこと‥

きっと、そうじゃない。




ユキを傷つけ、追い詰めたことに‥。









″ユキが苦しんでる。

アタシの分身だから、

ユキが痛いとアタシも痛いんだよ。″



なんだそれ、と

笑ったら本気で怒られた、あの日。



まだマヤが隣にいたころ。




それは、きっと

ユキだって同じで。



それは今でも変わらないのだろう。




この時計は


ユキのマヤへの思いが詰まっているように思えた。



直したのは、きっと

俺のためではなくて

マヤのため。




マヤの気持ちを

踏みにじってしまったような気がしたのだろう。



それは、紛れもなく



俺の方なのに。





< 474 / 480 >

この作品をシェア

pagetop