【実話】アタシの値段~a period~
マヤ
きっと、今頃
どこかで見てるなら
怒ってるんだろ‥?
ユキを好きになったこと‥
きっと、そうじゃない。
ユキを傷つけ、追い詰めたことに‥。
″ユキが苦しんでる。
アタシの分身だから、
ユキが痛いとアタシも痛いんだよ。″
なんだそれ、と
笑ったら本気で怒られた、あの日。
まだマヤが隣にいたころ。
それは、きっと
ユキだって同じで。
それは今でも変わらないのだろう。
この時計は
ユキのマヤへの思いが詰まっているように思えた。
直したのは、きっと
俺のためではなくて
マヤのため。
マヤの気持ちを
踏みにじってしまったような気がしたのだろう。
それは、紛れもなく
俺の方なのに。