【実話】アタシの値段~a period~
「え?お前、誕生日なの!?」
誕生日に、独り、
あの寒空の下にいたのか…?
俺の言葉を聞き流す代わりに、怠そうな視線を返した彼女は
そのまま寝室へと入って行った。
…―――
――――――…
その目には
何も映ってはいない。
何も望んでなどいない。
…俺とは違う。
彼女の傷は、俺のものよりも、ずっと深いのかもしれない…
だって俺は望んでいる、
救われたい……と。