【実話】アタシの値段~a period~
何を期待してたんだろう…。
隆志は、可哀相なアタシの誕生日を
一緒に祝ってくれただけ。
隆志は優しい人。
それだけだ。
"もう独りぼっちじゃない"
なんて…
馬鹿げた勘違いだった。
期待なんてしなければ
悲しい事は起こらないんだと
もうずいぶん昔から知っていたのに。
アタシは独り。
明日になれば、また独りだ。
独りで感じる寂しさより
誰かと居ても感じる寂しさには
痛みを伴う。
隆志と居て感じる寂しさは
その何倍も何倍も
痛く思えた。
隆志、貴方は優しい人だね。
だけどアタシは、同情なんて要らない。