天使

伊東真奈美

いつも通り僕は

帰り道に人気の無い喫茶店に行った。


やっぱり客は僕一人・・。

本当に経営なりたってるの?

って不安になるときがある。

「いつものでいいですね」

「はい」

いつもどおりの会話

この会話・・・結構好き・・・。

僕はいつもどおりコーヒーをゆっくり飲んでいた。

ゆっくり・・・ゆっくりと・・・。

この黒い中に溶け込んでいきたかった。

コーヒーに入れるミルクのように・・。


そのとき

入口のドアが開いた。

僕以外に人がくるんだなぁ・・・と不思議に思った。

だけどそんなことを思ったのはたったの数秒だった。

すぐに僕の心臓の鼓動を激しく動かした。

その人は女性だった。

凄いスタイルの女性・・・。

黒い帽子を深くかぶっていたから

よく顔は見えなかったけど

僕にはすぐに分かった。

なんてったっていつも見ているんだから・・・。

その人は

超有名人の

伊東真奈美さんだった。

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