天使
伊東真奈美さんは

飲んでいたコーヒーのカップをおいて

また僕に話し掛けた。

「ねぇ・・・TVとか見るの?」

僕はもちろんTVは大好きだった。

だけどここで

「よくTVは見ます」なんていったら

もう2度と伊東真奈美さんを見れなくなる気がした。

だから僕は嘘をついた。

「そんなに見ませんけど・・・。」

「じゃあ、私って誰かわかる?」


もちろんわかっていた。

あなたは伊東真奈美さん。

僕が神様よりも慕う

伊東真奈美さん。

だけど

僕は

「知っていますよ」なんていってはいけない気がした

そしたら

2度と伊東真奈美さんにあえなくなる気がしたから・・・。
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