天使
「いえ・・・知りません」

その時伊東真奈美さんには笑顔が出てきた。

「そうなんだ、知らないんだ。よかった。

 私の名前は大西亜由美って言うの」


えっ・・・なんで嘘をつくの・・・?

でもなにか深い事情があるのだろう。

「君の名前はなんていうの?」

「田中健太郎っていいます」

「健太郎君か・・・。じゃあケンチャンだね。」

えっ・・・なんなんだこれ?

「あっ、もう時間がない・・・仕事に戻らないと・・。

 また必ず来るからね。」

そういって伊東真奈美さんはコーヒー代のお金を払って喫茶店を出て行った。


なにがなんだか分からなかった。
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