きらめきパウダー*
華のショコラ.


   ちゅんちゅん、と小鳥の囀り。

    一歩踏み出せば真上にはふわふわで大きな雲と綺麗な青空。

    歩くと共に頭の上にはぴんく色の淡い桜の花びら。





    塔川 柚(toukawa yuzu)。

    今日から純明(junmei)学園に通う華の高校生。


    真新しいこの前までは憧れの存在であった純明の制服に

    身を包まれながらわたしは今日高校生になる。






「ゆーーずーー!」


「菜々!!」




   クラス発表の紙の前でわきゃわきゃとより一層目立つ、

   わたしの中学の頃からの親友の畑本 菜々(hatamoto nana)。





   
「うー、会いたかったー」





   菜々の髪の毛の匂いときつい香水の匂いが

   わたしの鼻を霞める。


   高校生になってから今日はじめて菜々に会って

   菜々は色気づいたと思う。




   それに対してわたしは、

   中学の頃からはまだ増しだが中学の頃のわたしは...





    大の仲良しだったあずみに"いじめられていたのだ"。






    あずみは私が唯一の尊敬できる親友で可愛くておしゃれで

    誰もが憧れる存在だった。



    なのにわたしは..........





「わたしはね、あんたみたいな不細工...




   元から"親友"だなんてこれっぽっちも思ってなかったんだから。」





    今まで見たことなかったあずみの顔。

    口角を上げて甲高く笑うあずみはわたしの知ってる

    あずみじゃなかった…。











「ゆず!何ぼーっとしてんの?何かあった?」





「あ、ううん。何でもない。」







     だから菜々に出会って菜々をそう簡単に信じることだって

     できなかった。




  
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop