風のようなキミ


「ふーん?ま、いいけど。」

そう言いパッと私の手を離す唯の仕草はとても自然で、悲しくなった。


私から離した手をポケットに入れながら、唯は前を歩いていってしまった。

顔は見えなかったから表情はわからない。けれど、その行動からして怒っているのは明らかだ。


なんであんなキツイ言い方しかできないのかと少し後悔していた矢先、


「………ほら。」

と、四角い生暖かいものを投げられた。


「へ…?カイロ?」


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