風のようなキミ


「橋本くんって、この前の人?…あれだ。ちょうどあの美人な先輩と手つないでる唯に、最悪なとこ〜ああもう。」
と思いだすように言う私。

「そうだったわね。橋本くんに好きって言われて抱きしめられたやつか。」

ふふっと笑いながら言う杏に


「もう〜最悪だった。しかも唯、普通に通りすぎてったし。」


そう、私が橋本って人に抱きしめられてた時、唯は知らん顔してさっさと先輩とどこかへいってしまったのだ。


その日の夜はそんな場面を見てもなんとも思わないみたいな唯の態度に傷つき、一晩中泣いた。


「そーだよ。唯は私の事なんかただの親友でしかないんだよ。」



嫌だ。
自分で言っても泣きたくなる。

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