風のようなキミ

近くにいたのに


―――
――――



「みっちゃん。」

窓側の席で外を眺めていた私の耳元で呟かれた。
その君の柔らかくて気持ちのいい声に、思わず私の体は反応してしまう。



不思議そうに首をかしげる君に向かって、私は

「別に。」

そう思ってもない事をつい、口に出してしまった。


けどかわいくない私は、


「何か用?今日は女の子と一緒じゃないわけ?唯。」

「――あははっ。大丈夫。今日はちゃんと断ってきたよ。放課後、アイス食べに行くんでしょ?」


そう笑いながら言った君の言葉に、ちょっと嬉しく感じてるんだって事なんか、気づいていないんだろうね。



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