風のようなキミ
「唯くーん。土曜日うち来ないー?」
「あっ玲先輩。土曜日?うん、行ってもいいのー。うれしい。」
そんなお色気ムンムンのお姉さまの家に行って、何をするというのか。
てゆうか、唯、昨日の子はどうした。先週教室に来てた隣のクラスの愛ちゃんは…。
そう、同じクラスになってからというもの、毎日違う子と遊んでいるのだ。
本人曰く、
「お友達だよー?あっ焼きもち?大丈夫。美月は大好きな親友だからね。」
なにがお友達だ。
どうせ遊んでるくせに。
"親友"という言葉にはさすがに傷ついた私だったけど、涙をぐっと我慢すると続けた。
「そ…そうなのー?てっきりみんな彼女かと思ってた。」
ええ〜?と笑いながら
「そんなわけないじゃん。彼女は作らないよー。だってそしたらみっちゃんとも遊べなくなるもん。やだ。」と。
"彼女"よりも"親友"の方が格が上なんて唯はおかしい。けどやっぱり顔がにやけずにはいられなかったが。
ただ、やはり私は唯の中で"親友"という立場にいるんだって思いしらされた気がした。