君が君を好きになって。2
「こ…っ」
「綿貫!?な…何で?」
碧はバツの悪い顔をして、照れたように笑った。
「ちょっと…見張り番?」
「?見張り?」
「サボりが居ないか、って」
どうも良く分からない話だが、菜束はとりあえず湿布が欲しかった。
「湿布って何処にあるのかな、判る?」
「湿布?何捻挫したの」
「うんと…ボールが当たっただけなんだけど周りが騒ぐから…」
「あー、あるある」
「芹沢君の話、してるでしょ」
「バレた?」
「うん、バレた」
碧はその間に隣の部屋に消えて、ゴソゴソと物音が聞こえたあと、袋を持って出てくる。
「はい、見して」
「な…何を…ですか?」
「え?患部。打撲じゃないの?」
患部は太股です。
しかも今体育着は長ズボンだ。
「打撲…だけど…その」
「なーに。」
「相当急所に近い場所なので…」
「きゅ…っ!」
碧が後ずさって椅子にぶつかる。
痛そうに見えた。
「あ、大丈夫?」