君が君を好きになって。2

自分は正しいことしか言っていない、筈…で。

「せめて半ズボンならいいんだけど…」

「や、良くない良くないっ」

「え、何で?」



菜束の側の机に碧の手が置かれる。
キシ。そんな音がした気がした。

「俺だって男だから」







「?男だよね?」


其処でやっと碧の顔が赤くなる。
菜束は相変わらず無表情で。

「俺今頑張ったのにー…」

「え!?え、え?」

「──…いーよ」


菜束の目と碧の目が合った。
碧は少しすねているように見えないこともない。


「もーいいよ…小玲の馬鹿」

碧は顔を重ねた腕で隠してしまう。
菜束はそれに首を傾げた。





「馬鹿だけど…」


「違うってば!ハイ湿布」

「あ、ありがとう」

「どーいたしまして」





授業はもう終わってしまったのだろうか。



< 11 / 59 >

この作品をシェア

pagetop