君が君を好きになって。2
自分は正しいことしか言っていない、筈…で。
「せめて半ズボンならいいんだけど…」
「や、良くない良くないっ」
「え、何で?」
菜束の側の机に碧の手が置かれる。
キシ。そんな音がした気がした。
「俺だって男だから」
「?男だよね?」
其処でやっと碧の顔が赤くなる。
菜束は相変わらず無表情で。
「俺今頑張ったのにー…」
「え!?え、え?」
「──…いーよ」
菜束の目と碧の目が合った。
碧は少しすねているように見えないこともない。
「もーいいよ…小玲の馬鹿」
碧は顔を重ねた腕で隠してしまう。
菜束はそれに首を傾げた。
「馬鹿だけど…」
「違うってば!ハイ湿布」
「あ、ありがとう」
「どーいたしまして」
授業はもう終わってしまったのだろうか。