君が君を好きになって。2
欠席
次の朝のことだった。
白羽が一人で電車に乗ると、声をかけられる。
「あれ?芹沢?」
「──莉桜」
「一人?どしたの綿貫は」
「…」
──俺が居れば碧碧っていつも…。
「えっ、何!喧嘩したの───!?」
「煩い」
「喧嘩するとしつこいもんねー、芹沢!」
「煩い」
「本当私も苦労したわー。大変だね、君らも」
白羽はわざと窓の外に視線を外した。
「あれ?喧嘩とかって昔しなかったの?」
「したよ」
「えー、どんな?」
「別に大したことじゃないって。今回も!」
「ふ────ん?」
気まずいんだろうな、などと考えながら、莉桜と他愛もない会話を続けることにした。