君が君を好きになって。2
「今日は珍しく部活無くてねー。菜束ちゃん寄り道とかする方?」
「あんまし」
「だよね。そんな感じ」
イメージ通りか。
そんな菜束を連れて莉桜が足を踏み入れたのは、ショッピングモールの中のゲームセンターだった。
「いつぞやに預けたコインが今日までなんだよね」
「三人で来たの?」
「あー、綿貫と芹沢と千幸と私ともう一人」
「もう一人?」
「今入院中なんだ」
そんな人菜束は知らない。
「病気?」
「ううん。弓道部の大会で何かが起きたらしく。私も知らないんだけどね!」
菜束は頷くと、コインの取り出し口から出てきたコインの量に驚いた。
「すごい量…」
「そうそう。毎月来てて、その度に綿貫が増やしちゃうの」
「そっか…私多分下手だから」
「あはは。よし、いっちょ増やしましょう!」
「増やすの?」