君が君を好きになって。2
父親の、翠の姿がリビングに現れる。
「碧?学校は」
少なからず動揺したようだった。
「…熱出て、それで」
「連絡位…」
「───…進路の」
翠が振り向く。
「あぁ…先生に会ってな、言っておいた」
「…何で、俺の意見も聞かずにそんな」
「お前の意見…」
翠は碧を正面から見た。
「…そんなもの」
「!っ…」
目の前が暗くなる。
そんな、
そんな絶望。
碧はその場に崩れ落ちる。
熱のせい、だとは思う。
涙が、
止まらなかった。