君が君を好きになって。2
ト、トン。
「!あ…」
「碧。具合は」
碧は翠から目をそらす。
「ぼちぼち、です」
何か、また痩せた気がする。
寝巻きが大きいのもあるかも知れないけれど。
「掛けてなさい」
翠が向こうの台所に消える。
「…」
碧が迷っているのが分かる。
白羽は妙に緊張してしまって、今直ぐにでも逃げ出したかったくらいだった。
ストン。
「!」
碧はごく自然に白羽の隣に腰を下ろした。
「何、レッスンしてたの」
普通だった。と思う。
首を回して碧を見ると、彼自身はあまり普通ではなく、病人だった。
「さっき学校で電話、来て」
碧が納得したように頷く。
「そっか」
この数日間、のしかかっていた何かが消えた気がした。