君が君を好きになって。2
とある昼休み
「酷…何それムカつく────ッ!」
今にも走り出しそうな莉桜を押しとどめる。
「り、莉桜ちゃん…っ」
「何で!悔しいでしょ!千幸なんてね、怖くないから!ムっカつく!」
「いいから!」
「…菜束ちゃん?」
「もう良い…決めたから!ちゃんと綿貫には話すし…!だから何もしないで…」
「…うん、ごめん」
引きは早い。
「いいならいいけどさ…?ご飯、一緒に食べたいもん」
「…ありがとう」
「いつかガツンと言いな?千幸にガツンと!」
「…うん?」
「綿貫君」
「…──病み上がりに五寸釘」
もそ、と碧が動く。
「なーに、嫌われたの?」
「…」
「うん?」
「謝られた…」