君が君を好きになって。2
「揺れた?」
後ろからの声。
振り向かなくても判った。
「碧もお人好しだよね、本当」
千幸が菜束の腕を掴んだ。
「何でハッキリさせないの?ダラダラ莉桜と仲良くしてさ」
「…──」
その意見は、最もだと思うのだけれど。
「黙ってたら私じゃないにしろ碧、取られちゃうよ」
「じゃあ…何で一条さんは告白しないの」
ピク、と千幸が反応する。
「…何?」
「人の邪魔ばっかするけど、自分は何か進展したの?」
「するよ、告白位」
「怖いんでしょ?フラれるの」
千幸が菜束を睨み上げる。
「ムッカつく…!じゃあ私が邪魔しなかったらあんたは告白してたの!?」
それは。
──…
「それは…」