君が君を好きになって。2
「寝不足?」
さっきから眠そうな碧に白羽は声を掛けた。
彼がこく、と頷く。
「悩みごとですか」
「色々ね…」
あ、と言うと碧は席を立つ。
「ちょっと職員室行ってくる」
「うん」
「…悩み、か」
確かにそうかも知れない。
「…?」
ふと窓の外に視線をやった時。
菜束を突き飛ばす千幸の姿が目に入った。
「!」
体が勝手に動いた。
もう、廊下とも知らず、
遠くへ、遠くへと、
走り抜けた。