君が君を好きになって。2
「遙!?」
「や。久しぶり!」
菜束の知らないその相手は、碧へと見守るみたいで、でも悪戯な笑顔を送った。
「…違、わないけど」
力が抜けたのか碧がしゃがみ込む。
「──あれ?遙さん去年も中3やってませんでした?」
「まーな。何せ全治10ヶ月だったからさ」
──あ。
『入院中。弓道部の試合で何かが起きたらしく』
「もう一度、中3戻るんで宜しくなっ」
それはそれはお見苦しい所を…。
「え、同級生!?」
「?うん」
碧がしっくりこない、と首を傾げた。
あぁ、話しそびれちゃった。
ありがとうと、ごめんなさいって、
言おうと思ったのにな。