君が君を好きになって。2
「綿貫は?」
碧は少し表情を落として、それからまた笑った。
「此処出るつもり」
少し、少し時間が止まったような、そんな感じ。
「──え、他の高校行っちゃうの?」
「うん」
──嘘じゃないんだ。
なんて言うか、残念なわけじゃなくて。
菜束は何だ、というように扉を開いた。
「お待たせー」
「あ、あおも一緒?」
「うん」
何を言ったらいいのか判らない。
「小玲?」
気付いたら、碧が目の前に立っている。
(泣きそう)
「あ…ううん」
「…────そ、か」
白羽が完全に「え?」みたいな不審そうな顔をした。
(あれ?)
気まずい?
「そういえば、片桐さんは?」
「莉桜?あぁ、なんか購買行くって」
「莉桜が購買とか珍しいね」
「確かに。じゃ小玲食べよーよ」
「うん」
「もう箸落とさないでね」
「もう落とさないよ?」
「賭ける?」
「いやそれはちょっと…」