夜の女に恋をした
家に入ると電気を付けた。

やっぱり雑誌や服が散乱している。


「真斗、ありがとうね。ほんっと感謝。」


そう言いながら荷物を置き、下にペタンと座った。

俺は冷蔵庫からビールを出して悠嘉に手渡しながら


「何があったの??ほんとに家出!?」

直球で聞いた。

家出じゃない気がするからそれを信じてないという感じで。


「実は・・・クビになったの。」


「なんで!?」


「派閥でね・・・。色々あってケンカしちゃった♪お客の前で。」


それを聞いて俺は噴出してしまった。

悠嘉がケンカなんて想像が出来なかったから。


「なんで笑うの~??」


「いや、ケンカ勝ったんだろうなって思って。ケガしてないし。」


「もちろん♪ボコボコにしてやったよ。」


笑顔でそう言いながら細い二の腕をポンポンと叩いていた。


俺はそれを見ながらビールをプシュッと開けた。

それを見て悠嘉も開ける。


「かんぱーい!!」

2人でそう言ってビールを飲んだ。


グビッと飲んだ後、

「ねぇ、何に今乾杯したの??」


少し俺のほうに乗り出して悠嘉が聞く。

俺は少し言葉に困って頭をかきながら


「クビに?」

そう言うと悠嘉の足が伸び、俺の足を蹴ってきた。


「いてっ!!」

「フフ♪」


こんな感じで俺らの同居生活はスタートした。
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