夜の女に恋をした
酔って家に入ったがもちろん玄関に女物の靴なんてない。

前まではたくさんあったのに。

ヒールの高いサンダルや靴、そしてブーツ。


部屋に香る高そうな香水の香り。


それは全くしなくなっていた。



これが普通なんだ。

前が変わっていただけなんだ。

戻るだけだ。



酔った自分の頭に言い聞かせてそのままベッドに倒れこんだ。




その時、床に落ちてるものに気付いた。

それはたたんである汚い画用紙。


それを拾い中を見るとそこには小さい子が書くような絵が書いてあり、父親だと思われる人、母親と思われる人、そしてこの絵を描いたのだろうというような小さい女の子が手を繋いでいる絵だった。


小さい女の子の胸には”きらり”と書いてある。

名前だろうか??



そして1つの仮説が生まれた。



この子の母親が悠嘉なんじゃないだろうか・・と。


そして悠嘉にはきらりという名の子どもがいるんじゃないだろうか・・と。


そして悠嘉は結婚してるんじゃないだろうか・・と。


そうすると料理が上手だったところ、家事が上手なところが説明がつく。



もう、どうでもいいか。

早く忘れなきゃいけないんだ、俺は。
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