夜の女に恋をした
とりあえず水を飲んで落ち着こうと思い、冷蔵庫を開けるとそこには白い箱が入っていた。

取り出し、中をあけると予想通りケーキが入っていた。

小さな三角のチーズケーキ。

見るからに手作りっぽい。


そしてその横に一緒に入っている封筒を取り出し中に入っていた紙を取り出し開いた。









Dear真斗

真斗24歳おめでとう。
元気してるかな??
これ、誕生日プレゼントです。
受け取ってください。
わたしのこと、怒ってるんなら捨ててください。

素敵な24歳の生活を願ってます。

From悠嘉









たったこれだけの文。

でもこれを俺は何度も何度も読み返した。


そして疑問ばかり浮かんだ。


なぜ今更ここに来たんだろう。

俺が部屋にいても入ってきたんだろうか。

俺の誕生日をなぜ覚えてたんだろう。



そんなとき携帯が鳴った。

もしやと思い、急いで開くと香織ちゃんからだった。

現実に引き戻された気がした。



『今日は送ってくれてありがとう。おやすみなさい。』



現実に引き戻されてよかった。

俺は現実を生きるんだ。


過去のしがらみにまたしがみつこうかしていた。


迷わず手紙をゴミ箱に捨てた。

そしてケーキをそのまま台所に放置してそのままシャワーを浴びて寝た。
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