お狐様と贄の私

【教室】

「昨日いったとおりに、
 転校生を紹介する。」
そう言った教師は、

アイコンタクトをしてきた。
「鏡夜 利亞と申します。よろしく」
と簡潔に話すと

「空いている席に好きに座って」
と言われ、窓側の
一番後ろの席に座った。

ホームルームが終わり
自分の机の周りに人が集まる
といっても五人程度だが、

「この村、人が百人程度
 しかいないし年寄り
 ばかりだったから、
 鏡夜さんが来てくれて嬉しいよ。」
「何でも聞いてね」とか
「校舎案内しよっか?」など、
一気に話され困惑していると

「利亞が困ってるでしょ
 質問するなら一人ずつにしなよ!」
と真理が言った。
「ごめんなさい
 鏡夜さん迷惑だった?」と聞かれ
「ううん、
 大丈夫少し困惑しただけだから。
真理ちゃんありがと」そう言うと

「いいのいいの気にしないで
 それに、私も名前で
 読んでるんだから、真理で良いよ」
と言われ
「了解、真理」
と言った所で
一時限目の授業が始まった。

【放課後】

すべての授業が終わり夕刻
「真理!途中まで一緒に帰ろう!」
私また迷いそうだから。
そう言いながら、話すと

「えっ・・・あ・・・あーごめん
 今日用事あってさ・・・」
と冷や汗混じりに言われ
私は少し不快感を感じつつも
「そっか・・・じゃあ仕方ないね。
 また今度ね」と返した。
「うん、ほんとにごめんね。
 じゃ、また」そう言い帰っていった。

【下校】

何なんだろう?
少し距離を置かれているような・・・・
まるで誰かに、
命令されているみたいに・・・・。

そう思いながら、
歩いていると恐狐神社前に来た。
あの人・・・
今いるかな?
そう思い神社に向かった・・・・。
恐狐村百ヶ条その五を忘れて・・・・

【神社】

鳥居をくぐり
社の方に行くと
拝殿の段に座っている人がいた。
「やっぱり
 此処にいたんですね朱雀さん」
そう言うと不可思議な顔をして
「お前・・・アレ読んだんだろ?」「はい?」
何をですか?
そう言いながら隣に座ると
「いや、なんでもない・・・」
と言われたので「そうですか」と言うと
目線をはずして前を見た。
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