お狐様と贄の私

第三夜 狐につままれる

恐狐村一日目、
早々に私は学校に行きます。
季節外れの転入生として、
格好のお狐様の生贄として・・・・

第三夜 狐につままれる

 何時の間に眠って
しまったんだろう。
少し身体が重い・・・だるい
昨日歩き回ったからだろうか?
小さな村なのに
歩くと辿りつくまでが遠すぎる
・・・・田舎の特徴だろうか、
そう思いながら階段を下りて
朝食の用意をした。

両親は何時もどおりに、
もう出かけたようだ、
何も変わらない・・・
いつもの日常変わった事と
いえばマンションが借家に、
私が転入生に、
都会が田舎にぐらいだろうか・・・
それでも変化を一番
望んでいるのは私のようだが・・・
そうそう忘れては
いけないのは祠に御供えをする事と
規則を守る事だろう。
規則を破るとどうなるか
なんて私は知らない。
否、知らなくて良い。
いや、知ってはいけない
ような気がする・・・・。
そんな・・・気がするのだ。

朝食を食べ今日の用意をし
家を出ようとした・・・。
だが・・・私は知らないのだ、
市立恐狐第一中学校の場所を・・・
そりゃ、一応地図は有るだが、
実際辿りつけるかが、心配なのだ。
とりあえず、地図を見ながら行き
朝なら私以外の学生もいるだろう。
と思い歩き出した。
歩いて数分・・・誰もいない・・・
気を取り直して歩く事数十分
誰もいないどころか元の場所に
戻ってしまったのだ。
何故かずっと同じ場所をぐるぐる
回っているように思えるのだ

あれ?自分こんなに方向音痴だったけ?
と思い自分に落胆した。
そこでハッと思い出した、
「そうだ恐狐神社なら
 人がいるかもしれない!
 あそこまで手入れが
 施されているんだもの神主さんとか
 村人とかそういう人たちが
 いるかもしれない」
と名案が浮かんだかのように、
目の前にある恐狐神社に
走っていった。
 
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