地下鉄
昼間・大学にて
「ねぇねぇ、帰り、カラオケ行こーよ」

「おっ、良いね」

「あっ、わたしも行くぅ」

そう言って手を上げると、周囲にいた友達がきょとんとした。

「えっ、ルカ。行けるの?」

「今日、バイトあるって言ってなかったっけ?」

「わたしのバイト、夜勤なんだ。だから昼間はへーキ」

にっこり笑って手を振ると、今度は不安顔。

「え~。なら、寝た方が良いんじゃない」

「夜勤ってきっついよ。今から帰って寝たら?」

「大丈夫だって。明日は授業、午後からだし。ちょーどバイト代、入ったばっかだから奢るよ」

「えっ、ホント?」

「ラッキー。今日はルカの奢りね」

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