地下鉄
「まあなぁ…。でもアレ、半分はマカの性分だろ? 例のケータイだって、マカの方から首突っ込んだんだって?」

「アレはっ! …マカの親友が引っ掛かっちゃったから…」

「損な性分って言うか、苦労性と言うか…」



その頃のマカ―。

「はっくしょんっ! ひっくしょんっ!」

「やだ、マカ。カゼぇ?」

合宿場の部屋で、ミナと勉強をしていたマカはティッシュで鼻をかんだ。

「…いや、誰か悪いウワサをしてやがる」

胡乱な目付きで、マカは空を睨んだ。



「まあまあ。マカちゃんのことはともかく、ルカちゃん。そろそろ頼むよ」

「あっ、はーい。じゃあちょっと着替えてきます」

そう言ってわたしは奥の部屋へ行った。

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