地下鉄
「ごほっがほっ!」

「なぁに、ルカ。怖かった?」

「ケータイ電話のウワサ話も、嫌がってたもんね」

「いっいや、ちょっとノド渇いただけ。先にファミレスにでも行かない? そっちも奢るからさ」

「いや~ん。ルカ、太っ腹!」

「良いバイト、見つけたんだね」

「まっまあ、夜勤だからね。それに身内に紹介されたヤツだから特別なの」

「でも気を付けなよぉ。最近霧が多いせいで、変質者増えているみたいだしぃ」

「ヘンなウワサもあるからね。行く時とかタクシーでも使って行きなよ」

「うん、さんきゅっ。でも大丈夫、人気の多い所だから安心して」

心から心配してくれる友人達に笑みを浮かべて見せる。

ほんの少しの罪悪感と共に。
< 3 / 31 >

この作品をシェア

pagetop