地下鉄
暗い棚の中に目を凝らし、一つのスイッチを見つける。

そこに触れると、給湯室の壁が動いた。

ぽっかりと、空間が出来る。

わたしはそこに入る。

下に続く階段を降りる。

そう―この地下鉄よりもなおも深い地下に。

わたしが階段を降り始めると、後ろの壁が静かに閉じて、代わりに階段に光が照らし出される。

明るい階段を降りる。

十分ほど降りた所で、一つの扉の前に出た。

ドアノブをゆっくりと回す。

その先には、地下鉄の光景が広がる。

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