地下鉄
「おお、ルカくん。今夜もよろしくね」

「はい、おじ様」

シヅキの実父も、ここの駅員の一人だった。

「毎日ご苦労さま。大学の方は大丈夫かい?」

柔らかい物腰で話しかけるのは、今年40になるというのに二十代にしか見えない、これまたわたしの親戚だ。

「ええ、ラゴウ。明日は休講だし、気にしないで。そんな長期になる仕事じゃないしね」

「まっ、今の内だけだかんな」

そう言ってシヅキがコーヒーを淹れてくれた。

二杯目だが、飲み物が好きなわたしは笑顔で受け取る。

「さんきゅ。それより相変わらずみたいだね。毎年こうなの?」

「そうだなぁ。いつもはマカちゃんが来てくれるんだけど、学校の勉強合宿と重なっちゃったから、今年はルカちゃんにお願いしたんだけどね。今年はちょっと多いかな」

おじが考えながら言った。
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