俺様彼氏様!?
冬哉の会社が潰れることもないし…
私が傷つくだけで済む…。
辛い想いをするのは、私だけで十分だもん。
ガシッ
冬哉に腕を掴まれ、引き寄せられて抱き締められた。
何でだろう…。
冬哉に抱き締められて安心してる…。
こんな時に何で…。
「はぁはぁっ…
ったく、逃げ足だけは、速いなっ…。
でも、逃がさない。
だから俺の話を聞け」
やっぱり、ちゃんと聞かなきゃ。
聞いてからだって、別れられるもんね…。
「…うん」
「聞けって言っても言うことがないんだけど…
これも仕事なんだ。
まだ、美雪には、言えないけど。
今の女とか何もないから…。」
「ううん…
今、言えなくてもいいよ。
今は、私こと抱きしめてくれればそれ…」
わかってるよ。
本当は…。
今は、言えなくてもいいよ。
だって…
私より辛いのは、冬哉だもん。
私に言えないから辛いんでしょ…?
だから…
いいよ…。