桜の下で ~幕末純愛~
禄
春も近くなった三月。
新撰組は屯所を西本願寺へ移す事となった。
誰もが準備で慌ただしい。
お茶好きなオバチャン達を除いては…。
くっそー、あのオババ軍団はここに遊びに来てるだけじゃんかっ。
バタバタと走り回る桜夜。
近藤さんも気付いてるし、どうにかしなきゃって言ってたし…どうにかんのかなぁ?
あ、噂をすれば近藤さんだ。
桜夜は近藤が台所方向に向かって歩いているのを見つける。
「近藤さーん」
「おお、桜夜殿。探していたんだよ」
私を?何だろ。
「ほら、一緒に花林糖を食べると言ったじゃないか。あれから中々機会がなかったからね。少し休憩しないかい?」
そうだった。あんな事もあったし忘れてた。…でも何で今?
「忙しいのはいいが、少しは休まないといけないよ」
近藤は桜夜の肩をポンポンと叩く。
気にしてくれてたんだ。
「そうですね。じゃあお言葉に甘えて休憩します。お茶、入れますね」
桜夜と近藤が台所へ向かおうとする。
「私に内緒で花林糖ですか? ゴホッ 私が甘いもの好きだって知ってるのに」
後ろから声がした。
「そっ、総司?!どっから湧いてきたの?」
「私は虫じゃないですよ。たまたま通りかかったら花林糖って ゴホ 聞こえたんです」
花林糖のとこしか聞こえなかったんだろうな。
「では、総司も入れて三人分の茶だな」
近藤が笑う。
三人はお茶を入れに台所へ向かった。
…別に私一人で入れてくればいいと思うんだけど。
何でこの人達、着いて来てんの?
そう思っているうちに台所付近まで来ていた。
すると、台所の入り口手前に人が居る様に見える。
誰かいる?…ひじぃ?
土方が中の様子を伺うかの様にしている。
歩いてくる三人に気付いた土方の目が音を立てるなと言っていた。
台所で事件発生?やだよー。
三人が静かに土方に近づくと中から女中達の話が聞こえてきた。
あーあ、とうとう聞かれちゃってるよ。寄りによってひじぃに…。
土方が小さく溜め息をついて桜夜に小声で言う。
「おめぇはあんなのと仕事してたのか」
「…てか、あの人達は何もしてない様なもんです」
桜夜達に気付かない女中の話は段々エスカレートしていく。
新撰組は屯所を西本願寺へ移す事となった。
誰もが準備で慌ただしい。
お茶好きなオバチャン達を除いては…。
くっそー、あのオババ軍団はここに遊びに来てるだけじゃんかっ。
バタバタと走り回る桜夜。
近藤さんも気付いてるし、どうにかしなきゃって言ってたし…どうにかんのかなぁ?
あ、噂をすれば近藤さんだ。
桜夜は近藤が台所方向に向かって歩いているのを見つける。
「近藤さーん」
「おお、桜夜殿。探していたんだよ」
私を?何だろ。
「ほら、一緒に花林糖を食べると言ったじゃないか。あれから中々機会がなかったからね。少し休憩しないかい?」
そうだった。あんな事もあったし忘れてた。…でも何で今?
「忙しいのはいいが、少しは休まないといけないよ」
近藤は桜夜の肩をポンポンと叩く。
気にしてくれてたんだ。
「そうですね。じゃあお言葉に甘えて休憩します。お茶、入れますね」
桜夜と近藤が台所へ向かおうとする。
「私に内緒で花林糖ですか? ゴホッ 私が甘いもの好きだって知ってるのに」
後ろから声がした。
「そっ、総司?!どっから湧いてきたの?」
「私は虫じゃないですよ。たまたま通りかかったら花林糖って ゴホ 聞こえたんです」
花林糖のとこしか聞こえなかったんだろうな。
「では、総司も入れて三人分の茶だな」
近藤が笑う。
三人はお茶を入れに台所へ向かった。
…別に私一人で入れてくればいいと思うんだけど。
何でこの人達、着いて来てんの?
そう思っているうちに台所付近まで来ていた。
すると、台所の入り口手前に人が居る様に見える。
誰かいる?…ひじぃ?
土方が中の様子を伺うかの様にしている。
歩いてくる三人に気付いた土方の目が音を立てるなと言っていた。
台所で事件発生?やだよー。
三人が静かに土方に近づくと中から女中達の話が聞こえてきた。
あーあ、とうとう聞かれちゃってるよ。寄りによってひじぃに…。
土方が小さく溜め息をついて桜夜に小声で言う。
「おめぇはあんなのと仕事してたのか」
「…てか、あの人達は何もしてない様なもんです」
桜夜達に気付かない女中の話は段々エスカレートしていく。