覚めない微熱だけ、もてあましながら
~プロローグ~
〈~プロローグ~〉
ーーまたひとつ、季節が去っていった。
特に暑かった今年の夏も終わり、何となく秋を感じさせる空気が頬を触る。太陽が眩しくても、真夏のギラギラ感はなく切なさを思わせる秋の日差しだ。残り少ない、太陽の日差しーー。
春夏秋冬――三番目の季節。
三番目の季節と、また出会えた。秋って……何か寂しくてブルーになる。
季節が変わるたびに私は、何事もなく平和に過ぎ去った日々に感謝するのだった。特に良いことがなくても、平凡でも、生きてることが当たり前だとも思わない。
私は今、24歳。週に五日仕事をして、休みの日は大掃除のような大々的な掃除や洗濯をして……。それが終われば、家でDVD観賞。恋愛映画は大好物。特に韓流。韓国のカッコイイ男の子達にキュンとする。胸がキュンとしながら画面に釘付け。自分がヒロインになった錯覚を起こし喜怒哀楽が自然に出る。完全に引き込まれてしまう。